mbooks-in-nookの日記

-左車線しか走れない-

2023.2.9木曜日 哀しきココアの昼休み

せっかくおいしいココアを飲むためにドトールへ行きホッと一息ついていたら、すぐ隣にいたサラリーマンの男にかかってきた電話で過去の自分に引き戻される。時折聞こえるスマホの向こう側の声は女性で、最初は仕事の電話かと思ったが男の声がわたしの前にあるココア並みに甘かったのでおそらく彼女だろう。どうやら求職中のようで、総務ってどんな仕事?と聞いてきたらしい。あー、総務?男は急に気怠そうな声に変わる。総務って雑用だよ、電球替えたりとかさ。ショムニってドラマ覚えてない?あれだよあれ……(しばらく続く)。

 

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わたしは今の仕事に就く前まで、15年以上様々な会社で総務の仕事を担当してきた。だから、世の中の総務に対するイメージとか評価には慣れっこなんだけど。だけど。やっぱりうれしい気持ちにはならない。

 

 

だよねぇ。総務って、庶務って、そうなんだった。社内だけじゃなく、世の中全体でそういう評価の部門。それにしても、いまだにそう思われていたのか…と愕然とする。今のわたしは全く違う仕事をしているのだからキリキリする必要もないのだけど、過去の自分や世界中で総務の仕事をしてい人間を否定されているような、見下されているような気分になってしまいもやもやする。

 

 

何なら電話を代わってあげてもいいけど…と思いながら皮肉の目で隣のテーブルに目をやると、乱雑に置かれた男のスマホカバーも皮の財布もぼろぼろで(良い味が出てる経年変化のそれとは違う)全く手入れされていないようだった。そんな男に総務の仕事の説明をわかったようにされてたまるか。そして、そんな説明しか出来ない男の彼女が可愛そうに思えた(きっとそのままの先入観でこの先も求職活動が続くのだろう)。

 

 

冷えてしまったココアを一気に飲み干し、外へ出た。過去の自分は、自分が認めてあげればいいんだ。総務ってね、実はとっても面白い仕事だったから。